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小児慢性副鼻腔炎の保存的療法
広瀬 毅
1
,
渡辺 庄次
1
1信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.995-1002
発行日 1965年10月20日
Published Date 1965/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203503
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Ⅰ.はじめに
小児慢性副鼻腔炎に関する研究は,主として米国に於て,発展し,早くから熱心な研究がなされて来たが,欧州や本邦では着目されながらも,意外に等閑に附された時期が長く,この系統的研究が行なわれるようになつたのは,我が国では近々この10数年のことである。以来基礎と臨床の両面から多数の研究が発表せられ,ようやく本邦の小児慢性副鼻腔炎もほぼ体系づけられた感じがするが,さて治療の段になると,年令的制約に加えて,本症成因の複雑性も関係して,なお思うにまかせず,より早期の治療でありながら,考え方によつては成人のそれよりも一層困難とさえ考えられる現状である。
本篇では我が教室の研究結果と,集め得た最近の文献を中心に,小児慢性副鼻腔炎の治療の概要を展望してみたい。
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