シリーズ 難治性疾患への対応
⑥慢性副鼻腔炎
間島 雄一
1
1三重大学医学部耳鼻咽喉科
pp.591-595
発行日 2005年7月20日
Published Date 2005/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100170
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慢性副鼻腔炎は過去には難治であるといわれた。それは保存的療法に反応しづらく,また手術療法においても,術後の予後が術前に確実に予測できないことが大きく関与していたと考えられる。しかし,近年その様相は大きく変化してきた。その理由の1つは,14印環マクロライド抗生物質と内視鏡下鼻内副鼻腔手術(endoscopic sinus surgery:以下,ESS)の本症の治療への導入である。前者は症例によりかなりの効果が期待でき,また後者は手術治療による限界を明らかにしたからである。後者についは,手術により効果が期待できる症例と,そうでない症例を術前にある程度予測できるようになったと言い換えることができる。
したがって,慢性副鼻腔炎で難治なのは現時点では手術に抵抗する例であるといえるが,本稿では慢性副鼻腔炎について述べ,その難治例にも言及したい。
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