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はじめに
現在,肺癌の確実診断に用いられている検査法には,喀痰による細胞診,経気管支的生検および細胞診,肺生検,Prescalene fat pad biopsy等がある。喀痰による細胞診は病巣からの剥離細胞を対象としているので,組織像を得ることができず,確実診断としては信頼度がやや低い難点がある。確実診断のためには生検によって組織片を得るか,あるいは直接病巣の擦過によつて細胞塊を得て診断することが必要である。肺生検は病変の部位によつて診断が不可能なことがあり,あまり適応範囲はひろくないが,穿刺し得た場合の確診率は高い。Prescalene fat pad biopsyの肺癌診断に対する価値については,最近かなり多くの症例によつて検討されているが,篠井11)は確実診断としての価値よりも手術適応にたいする指標としての価値が高いことを述べている。経気管支的に行なう診断法には気管支鏡を用いる方法と気管支カテーテルを用いる方法がある。今回は現在,国立がんセンターにおいて行なつている経気管支的診断法について述べ,とくにわれわれが考案し過去10年間実際に臨床に使用して高い信頼度をもつている診断法について詳述する。
In general, the patient of early lung cancer yroduce scanty amount of sputum. Therfore, it is impossible to make a cytological exami-nation for definite diagnosis of the disease.
A new method, which is a transbronchial biopsy utillizing a newly designed small cur-ette throgh the fluorscopic control, was devised.
Since 1962, this method was carried out on 51 cases of lung cancer, and correct diagnosis of 90.0% was obtained in small foci of 3.0cm in diameter.
It is believed that this method is extremely useful in diagnosing an early lung cancer.
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