今月の主題 肺
カラーグラフ
肺癌集検と細胞診
高橋 正宜
1
,
吉見 直己
2
Masayoshi TAKAHASHI
1
,
Naoki YOSHIMI
2
1スペシアルレファレンスラボラトリー
2岐阜大学医学部第1病理学教室
pp.114-116
発行日 1987年2月15日
Published Date 1987/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913246
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肺癌は周知のごとく癌死亡男女ともに現在第二位を占め,21世紀には胃癌を抜いて第一位になることは必至である.老人保健法により胃癌・子宮癌検査が法的にシステム化されたように,肺癌も国民病の一つとして考慮され,老人保健法に取り入れられる日が近い.肺野型肺癌にはかつて国民病であった結核診断に使われた胸部X線が有効であるのに対し,増加しつつある中心型肺癌には喀痰細胞診が不可欠である.集検レベルでの喀痰細胞診では特に治癒可能な早期肺癌を発見するために,高危険群での異型扁平化生細胞の出現する喀痰患者のフォローアップが重要である.また,大量の検体に対応できるために細胞診自動化や細胞診の精度管理がたいせつとなってくる.その一方法論として画像解析法やフローサイトメトリを用いて研究がなされている.
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