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上顎洞血管腫の1例
丹羽 一成
1
1信州大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.597-599
発行日 1962年7月20日
Published Date 1962/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202882
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I.緒言
副鼻腔に発生した血管腫にはそのまま血管腫として報告されているものと,所謂血瘤腫,出血性鼻茸として報告されているものとがある。血瘤腫出血性鼻茸は臨床的な命名であり主として症候に対して付けられたもので病理組織学的な命名ではなく,これらを病理組織学的に検索するとその凡そ1/3が血管腫であるという。しかし副鼻腔に発生した血管腫がそのまま血管腫として報告されているものは極めて稀で,本邦では僅か7例を算するのみである。私は肉眼的にも臨床的にも血瘤腫,出血性鼻茸とは異なり,組織学的に初めて診断のついた上顎洞に発生した海綿状血管腫の1例を経験したので報告する。
A girl aged 17, was found to he affected with spongioma of the left maxillary sinus. The diagnosis was made postoperatively following a microscopic examination of the tissues removed.
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