--------------------
聾唖に関する研究—聾学校児童生徒の統計的観察
小川 喜代子
1
1和歌山県立和歌山聾学校
pp.951-963
発行日 1961年11月20日
Published Date 1961/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202769
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はしがき
日本全国には聾学校は合わせて103校あり,児童生徒総数は約2万人を数えられている。これらの生徒は先天的或は後天的諸原因によつて不幸にも聴覚,前庭迷路器機能が侵されたために,教育的治療が現在唯一の治療法とされているのは甚だ遺憾に思われてならない。聾唖の発生を防止すること,すなわち血族結婚の回避,妊婦の保健的保護等によつて出生を防ぎ,後天的には個人及び公衆衛生の涵養をはかり治療医学の発展を期してやまないのである。私は教育者として,聾学校児童生徒の分布状態,失聴原因,身体的特質,聾唖の予防等について調査統計及び文献的考察を行い2,3の知見を得たのでここに簡略に発表し耳鼻咽喉科専門の諸先生方の御教示を願えれば幸甚と存じます。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.