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術後性鼻性化膿性脳膜炎の1治験例
甲能 幸一
1
,
平山 羊介
1
,
伊藤 玲
1
,
三田 静江
1
,
大山 和男
1
1東京都済生会中央病院耳鼻咽喉科
pp.973-976
発行日 1959年12月20日
Published Date 1959/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202368
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I.緒言
術後性鼻性化膿性脳膜炎は,多く電撃型の経過を辿り其の予後は極めて不良であると,ペニシリン等抗生物質出現以前の成書には記載してある。即ち上顎洞経山又は鼻内より篩骨蜂窠を掻爬する際,或は前頭洞手術,鼻外よりの篩骨蜂窠掻爬の際に頭蓋底を損傷した為に発生した化膿性脳膜炎の予後は甚だ不良とされていた。最近化学療法の著しい進歩により,之等鼻性化膿性脳膜炎並びに術後性鼻性化膿性脳膜炎の治験例は屡々報告されると同時に,其の死亡率は急速に低下している。
我々は最近術後性鼻性化膿性脳膜炎の1例を経験し,幸いに治癒させたのでここに敢て報告する次第である。
The patient developed, 0 days following ethrnoidectomy, symptoms of cerebral meningitis. With use of penicillin, aureomycin, and ilotycin as drug therapy aided by withdrawal of spinal fluid in number of occasions the patient recovered in the period of 44 days.
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