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鼻結核症治験例—臨床的並びに組織学的観察
北嶋 俊之
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.949-953
発行日 1959年12月20日
Published Date 1959/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202363
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I.緒言
上気道が屡々結核菌の侵襲を蒙る部位であり,且つ鼻腔は結核菌が吸気と共に体内へ侵入する門戸であるにも拘らず,鼻結核症の報告は甚だ稀である。即ち教室の平野の調査によれば,明治28年金杉が“鼻腔結核の1例”と題する報告を行つて以来,昭和30年迄の本邦文献は約60例となつている。著者は最近早期診断,早期治療開始により,完全治癒せしめた鼻結核症2例を経験し,特に内1例は,化学療法の継続による局所病変部の病理組織学的所見の推移を観察し,臨床所見の経過と関連し,甚だ興味を覚えたので茲に報告する次第である。
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