Japanese
English
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皮膚結核にたいするヒドロンサンの治験
CLINICAL EFFECT OF HYDRONSAN ON TUBERCULOSIS OF THE SKIN
占部 治邦
1
,
徳永 博巳
1
H. URABE
1
,
H. TOKUNAGA
1
1九州大学医学部皮膚科教室
1Dermatological Clinic, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.143-147
発行日 1960年2月1日
Published Date 1960/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202762
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緒言
最近PASに続いてINAHが抗結核剤として広く用いられるようになつたが,その毒性が比較的強いために大量長期服用は困難であり,このことがINAH使用時の難点とされていたが,グルクロン酸との結合体にすれば著しく毒性が軽減され,大量長期投与が許容されることが判明し,現在種々のINAH誘導体が生成され研究されている。なかでもグルクロン酸ナトリウムイソニコチニールヒドラゾン(Sodium glucuronate isonico-tinyl hydrazone:INHG-Na)なる化学名で呼ばれ通称ヒドロンサンといわれる誘導体が各界に注目されるようになり,その基礎的臨床的実験報告が多数なされているが,INAHの欠点を補つて多大の効果をあげている模様である。
わが皮膚科領域においても,三浦教授らはさきに本剤を皮膚結核の2,3の病型に投与して治療効果を観察し,INAHと比較検討しているが,われわれも最近ヒドロンサンを結核疹を主とする皮膚結核19例に使用する機会を得たので,その治療効果を報告する。
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