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コンドロイチン硫酸使用に依る某製鉄所従業員の聴覚変動について
富永 泰栄
1
,
阿部 弘之
1
1久留米大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.69-75
発行日 1959年1月20日
Published Date 1959/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202176
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緒言
コンドロイチン硫酸(以下「コ」硫酸と呼ぶ)は,結合織の重要成分であり,軟骨,骨,腱靱帯筋膜,心嚢,血管壁等間葉組織に含まれ,体組織の構成々分をなしているPolysacchride酸であり,体内に於てグルクロン酸を遊離して解毒亢進的に作用する事が認められている。又血管壁其の他の結合織の基質及び其の安定物質として重要であり,此の老化現象と「コ」硫酸の消長とは重要な関係,があるとされている。「コ」硫酸のわが科領域における活用に対しては志多氏の研究報告が注目される。飜つて神経難聴に対する治療法としては,先に河田教授のVitamin B1投与,上頸神経節ラジウム,X線照射療法等の発表があるが,此の度「コ」硫酸を某製鉄所の騒音下の従業員に投与して,其の聴覚の変動を観察し聊か興味ある結果を得たので報告する。
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