Japanese
English
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黄色腫に対するコンドロイチン硫酸の局所作用
LOCAL ACTION OF CHONDROITIN SULFATE ON XANTHOMAS
佐野 栄春
1
,
上田 氏典
1
,
森下 琢郎
1
Shigeharu Sano
1
,
Ujisuke Ueda
1
,
Takurō Morishita
1
1神戸医科大学皮膚科泌尿器科教室
1Dept. of Dermato-Urology Kôbe Medical College
pp.129-134
発行日 1958年2月1日
Published Date 1958/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202180
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脂質代謝異常の皮膚表現として黄色腫は代表的なものであり,高脂肪血症乃至は高コレステリン血症或はそれに伴う心臓血管障碍等との関連性について古くより深い注意が払われてきた。特に近年血漿のリポ蛋白の超遠心分析(Gofman1)ら)を始めとして脂質の生化学的研究が一大飛躍をすると共に,一方ヘパリンの血漿清澄作用がHahn2)により明らかにされて以来,ヘパリンの血中脂質とくにその超遠心分劃に及ぼす影響が興味をもつて検討されている。
その意味から黄色腫に対するヘパリン療法は注目を引くもので,Graham et al3),Lever et al4)5)6)はその静注乃至は筋注により皮疹の消失乃至は縮少を認め,Cornbleet7)は病巣内に注射して有効であつたと述べている。我々はヘパリンと近似の構造をもつ酸性ムコ多糖類であるコンドロイチン硫酸を用い,黄色腫患者の血中各脂質に及ぼす影響を検討すると共に,その臨床効果を観察しているが,今回はまずその局所療法につき報告したいと思う。
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