特集 喉頭腫瘍
食道発声の実地指導法
飯田 文武
1
1元京都府立医大
pp.401-403
発行日 1958年5月20日
Published Date 1958/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202009
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無喉頭患者の発声法には,口腔音声 (仮性囁語)頬咽頭音声,食道音声,胃音声による肉声(代用音声)と,人工喉頭使用による人工音声(機械音声)とに別けられている。その中で最も理想的な発声法としては,食道発声法である事は論を俟たない。此の発声法は他の代用発声法に比べて,これをマスターするのには多大の努力を必要とするが日常生活の上の言語活動としては,今の処最も優れている。こゝでは他の代用音声は,しばらくおき,専ら食道発声の実地指導に就て述べる。先ず患者指導に際しては患者一人対指導者一人の個人指導方が塁ましい。しかし病院等で多数の無喉頭患者を処置しなければならない場合には,クラス別にして,マスコミ法を採うなければならない。
食道発声指導法に就ては従来から幾多の研究がなされいる。それ等文件並びに私の経験から考えると,発声指導の初期(Primary Stuae)が一番六ヵ敷しい様である。「音」さえ出し得られゝぱ,之を「声」にする事は比較的容易である。
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