座談会
助産婦の実地指導をめぐつて
奈良林 祥
1
,
尾崎 とめ子
,
大淵 芳子
,
羽生 たき
,
林 まつ子
,
大石 はる
1杉並西保健所予防課
pp.54-71
発行日 1955年12月1日
Published Date 1955/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200972
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成功の鍵は助産婦
奈良林 きようはお忙しいところをお集り下さいまして,ありがとうございます.御承知のように先日東京で国際家族計画会議と云うのが開かれましたが,その開会式の席上でみなさんも御存知の例のサンガーさんが,日本の受胎調節普及が之から先き成功するかどうかのかぎは5万人の助産婦さんの存在にかかつているという意味の拶挨をされて非常な感銘を残した事は未だ記憶に新たな処でございます.私も実はあの会議で保健所が受胎調節の仕事をするのにはどういうふうにやるのが1番良いだろうかということを,保健所の立場を代表して講演致しましたが,その中でも之からさきの日本の受胎調節の普及は助産婦さん達の組織化された力に依るのが本筋で,保健所はむしろ助産婦さん達が働き易いように援助する役割を果す事が望ましい事を強調しました.そんなわけで,国際会議を期として助産婦わけても実地指導員の存在が非常に世間の注目を浴びて来ている事は本当に喜ばしい事だと思うのです.その意味で今日は,早くから保健所と助産婦とが協力して受胎調節の普及に可成りの成績をあげて各方面の関心を集めている東京都杉並の助産婦さん方と,その指導で受胎調節に成功しておいでの主婦の方にお集り戴いて,色々と今迄の苦心談やら,之からの希望やらを話し合つて見ようと云うわけです.
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