Japanese
English
特集 悪性腫瘍とリハビリテーション
喉頭摘出後の発声訓練とリハビリテーション―特に食道発声訓練法について
Speech Training after Laryngectomy and Rehabilitation.
高藤 次夫
1
Tsuguo Takafuji
1
1戸田中央総合病院
1Toda Central Hospital.
キーワード:
人工喉頭
,
電気式発声器
,
食道発声訓練法
Keyword:
人工喉頭
,
電気式発声器
,
食道発声訓練法
pp.865-869
発行日 1980年11月10日
Published Date 1980/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104418
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はじめに
“話すこと”は,自分の気持を相手に伝え“互に意思の疎通をはかる”ことで,人間として生きてゆくために最も大切なことである.それが何らかの原因でひとこともしゃべることのできなくなった人たちにとっては,その苦痛と絶望感はわれわれの想像以上に深刻なものと考えられる.
喉頭の悪性腫瘍のために喉頭全摘出術をうけた者を喉頭摘出者(喉摘者または無喉頭者)という.彼らは術後より全く無声となってしまう.その数は現在わが国で約1万5千人,フランスで3万5千人,アメリカでは6~7万人,全世界ではおよそ40~50万人と推定される.
“生けるしかばね”となった無喉頭者の中には,生き甲斐を失い孤独の淋しさに堪えかねて,自殺を試みた人すらあった.
無喉頭者の人たちに再びしゃべる方法を教えて社会復帰させること,つまり第2の音声獲得のリハビリテーションが社会福祉の問題として重要な所以である.
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