講座
受胎調節実地指導員の再教育について
奈良林 祥
pp.16-19
発行日 1956年6月1日
Published Date 1956/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201064
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保健所を中心とした受胎調節の普及が次第に活溌となり,大きな会社が新生活運動の一環としてこぞつて家族計画をとりあげるようになるにつれて,今迄埋もれていた受胎調節実地指導員の活躍の舞台が急速にひらけて参りました."役に立つ指導員が欲しい"こういう声が次第に高まつて来ておりますし,これからも指導員の手を望む傾向は増える一方であるに違いありません.然し此処で問題になるのは,このような世間の要望と期待に対して,果して総ての指導員が応えられる状態にあるかどうかという事です.
昭和27年に実地指導員という制度が生まれてから此の方,極く特殊な場合を除いて,実際に受胎調節の普及指導に心身を打ち込んで苦労して来たという人はそれ程多くない筈です.大部分の指導員は傍観的な立場に居て,此の仕事の苦しさ,難かしさ,更には楽しさというものを身を以て体験してはいないと云えるのではないでしようか.
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