抄読会
"覆刻版;実地看護法"をめぐって
高橋 政子
1
,
桑野 タイ子
2
,
岡部 喜美子
3
1医学史研究会
2埼玉県立厚生専門学院
3国立医療センター
pp.62-76
発行日 1975年1月15日
Published Date 1975/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200418
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本誌 "温故知新"ということばがあります。"古きをたずねて新しきを知る"という意味ですが,きょうは,この「実地看護法」(大関和著)という先輩の遺産を素材にして,この中からいまのわれわれが何を学び取っていくか,というようなことを,話し合っていただきたいと考えております。
大関和という著者が生きていた日本近代看護の黎明期に出版されたこの本の内容は,その後の歴史の中で,あまり生かされてこなかった。しかし,いま私どもがこれを覆刻版として出版し,また抄読会の素材として取り上げる意味は,この本の文献的意味を云々することよりも,むしろ近代看護から現代への歴史の流れの中で,日本の看護がどういうプロセスを経て発展してきたのか,あるいは,かつてあったよきものがゆがめられ,失われていったのではないだろうかとか,そういうようなことを少しこの機会に掘り下げてみたい,というようなところにあります。
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