Japanese
English
研究と報告
強迫症状を主訴として入院した患者の入院理由と治療内容および治療効果とその後の受療状況に関する調査
Research of Inpatients with Obsessive-compulsive Symptom Regarding Reasons for Hospitalization, Applied Treatment Methods, and Treatment Effects
山本 理真子
1
,
飯倉 康郎
2
,
宮川 明美
2
Rimako YAMAMOTO
1
,
Yasuro IIKURA
2
,
Akemi MIYAGAWA
2
1久留米大学大学院臨床心理学研究科
2肥前精神医療センター
1Graduate School of Psychology, Kurume University
2Hizen Psychiatric Center
キーワード:
Obsessive-compulsive symptom
,
Inpatient treatment
,
Behavior therapy
,
Exposure and response prevention
,
Reasons for hospitalization
Keyword:
Obsessive-compulsive symptom
,
Inpatient treatment
,
Behavior therapy
,
Exposure and response prevention
,
Reasons for hospitalization
pp.391-398
発行日 2006年4月15日
Published Date 2006/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100246
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抄録
強迫症状は強迫性障害で最も多く出現する症状であり,薬物療法や行動療法の外来治療プログラムが最も効率的であると報告されている。一方,実際の臨床では強迫症状が複雑で診断困難な症例や強迫症状自体が重症な症例のために入院治療をせざるを得ないケースも少なくない。しかし入院治療に関する報告はほとんどみられない。
今回,強迫症状を主訴として肥前精神医療センターに入院した患者74名を対象として患者背景,入院理由,治療内容および治療効果とその後の受療状況について調査した。入院理由は「日常生活が独力でできない」「診断と治療の方向性の決定」などが高率に挙げられた。退院時の主診断は強迫性障害以外が30%以上みられた。治療は薬物療法と行動療法の併用が多く約90%の改善がみられた。
重症例の入院治療に関する報告は,治療にかなり工夫と時間を要する患者も多いという臨床の現状を伝える上で重要であり,今後も精力的に行われるべきものと思われる。
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