連載 Data mania・10
受療行動調査
中島 秀和
1
1株式会社メディヴァ
pp.714-715
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209935
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調査概要
「受療行動調査」とは厚生労働省が主体となり平成8年より開始された比較的新しい調査です.それまで医療分野に関する統計調査は医療を提供する側である「医療施設」への調査が実施され,その把握がなされてきたところですが,近年の「急激な高齢化」「疾病構造の変化」など医療を取り巻く状況の多様化を踏まえ,医療を利用する側である「患者側」からの情報を把握するために導入されました.受療行動調査は「医療施設静態調査」などと合わせ3年周期で実施されており,その対象は全国の一般病院(層化無作為抽出した500施設)を利用した「患者」を対象としています.ただし,在宅患者および時間外に受診した患者についてはその対象外です.
調査項目は,比較的新しい調査であるため定まっていないということに加え,調査年次ごと医療環境の変化を踏まえ柔軟に対応がなされています.調査開始年度となった平成8年は基礎調査6項目からスタートし,平成11年には「カルテ開示の要望」など10項目となり,平成14年には項目について若干の整理が行われ8項目となる一方で,医師から受けた説明として「入院期間の見込みについての説明」などの調査が導入されるなど,環境変化に対し柔軟に変更が加えられています.現時点で最新の結果概要が公開されている平成23年度の調査では「セカンドオピニオン」関連などが加わり13の項目について調査が行われました.
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