特集 喉頭腫瘍
無喉頭音声
高藤 次夫
1
1都立広尾病院耳鼻咽喉科
pp.389-395
発行日 1958年5月20日
Published Date 1958/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202007
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Ⅰ.まえおき 喉頭癌の診断が近来非常に適確になつてきたために,以前よりもより一層多くの人たちが手術をうけるようになつた。周知の通り喉頭全剔出術をうけたあと,その人は発声不能になつてしまう。これ等の人たちの述懐をきくと,「もののいえないことが,こんなにまで辛い悲しいものであるとは,全く想像以上の苦しみでした」としみじみいう。話をするということは毎日の食事をするのと同じように話がなくては生活ができない。
最近喉剔者の集りが全国各地に相次いでできて,年とともに益々盛にお互に密接なつながりを求めつつあることは喜ばしいことであう。
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