Japanese
English
臨床研究
膵石症の術後成績—主として膵管像を中心とした膵の変化について—
Post-operative evaluation of pancreatolithiasis,:mainiy from the view point of the changes in the pancreatic duct
原口 義座
1
,
梶原 周二
1
,
高橋 寿久
1
,
左近司 光明
1
,
斉藤 慶一
1
,
若林 利重
1
,
畠中 昌夫
2
,
鈴木 恒道
2
Yoshikura HARAGUCHI
1
1東京警察病院外科
2東京警察病院病理
pp.1057-1063
発行日 1976年8月20日
Published Date 1976/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206568
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はじめに
膵石症は慢性膵炎による膵液うつ滞の結果膵管内に生ずるとされ,高度慢性膵炎の1つに数えられている.疾患としては比較的稀であり本邦にて報告された手術例は百数十例と思われる.激しい腹痛,糖尿病,閉塞性黄疸を高頻度に伴い,また膵癌の合併例も多いといわれている.原因としてアルコールによるものが多数を占め,胆石性,遣伝性家族性,副甲状腺機能亢進症もあげられているがなお不明のものも少なくない.治療としては,原因となるものの除去は当然必要であるが,これだけで著明な改善はなく膵に対する外科的手術が適応とされている.手術の目的は主に疼痛の除去であり,その他閉塞性黄疸を伴う症例では,除黄疸手術が行なわれている.表1は現在までに行なわれている代表的術式である.各症例において異つた術式を選択すべきことは当然であるが,当院では膵管減圧を目標とし,基本的術式としては,膵尾部を温存した上での膵管消化管側側吻合術を採用した.今回各手術例について術前と術後とを比較し,手術の効果と膵の変化を追求した.
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