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特集 耳鼻咽喉科手術におけるナビゲーションとモニタリング
喉頭・音声―反回神経術中モニタリング
Intraoperative neural monitoring of the recurrent laryngeal nerve
荒木 幸仁
1
,
塩谷 彰浩
1
Kouji Araki
1
1防衛医科大学校耳鼻咽喉科学講座
pp.374-380
発行日 2012年5月20日
Published Date 2012/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102199
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Ⅰ はじめに
反回神経の同定と温存は甲状腺,副甲状腺などの手術において最も重要なポイントの一つであり,頭頸部外科医にとっては基本的な手技である。反回神経障害は重大な手術合併症の一つであり,嗄声や嚥下障害などを引き起こし,術後QOLを大きく左右する。その同定・温存手技は同定部位などによりさまざまあるが,症例によっては腫瘍による圧排などにより苦労する場合もある。ただ術前に反回神経の同定が難しい症例を確実に予測することは困難である。そこで術中神経モニタリング(intraoperative neural monitoring:IONM)が近年甲状腺や副甲状腺手術において反回神経の同定や機能予後を判断するための手技として普及してきている。術中における神経損傷のリスクの軽減を目的とし,神経の支配筋肉に電極を装着し筋電図モニタリングを行うことで,神経の探査と同定,神経の状態の把握を行う。IONMの方法にもさまざまあるが,本稿では近年著しく普及してきた表面電極付挿管チューブ(EMG気管内チューブ)を用いた反回神経電気刺激に対する声帯筋の収縮を捉える方法について,その手技や問題点について解説する。
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