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耳鼻咽喉科領域に於けるナイトロミン療法について
大橋 鎭子
1
,
工藤 日出生
1
1大分県立病院耳鼻咽喉科
pp.453-456
発行日 1954年9月20日
Published Date 1954/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201194
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悪性腫瘍は非常に難治とされて居り,現在手術療法及び放射線療法が用いられて居りますが,最近悪性腫瘍細胞の増殖に著明な抑制効果を持つと言われているナイトロヂエン・マスタードが発見せられて,種々臨床研究が行われて居りますが,特にN-オキサイド,ナイトロミンが,副作用も少く効果が大であると言われて居りますので,昨年私共も,当病院に於て,悪性腫瘍患者7例(癌腫6例,肉腫1例)について,ナイトロミン療法を行つて見ました。各例とも静脈注射を応用し血液像,特に白血球数を示標として行いました。
量はpro kg 1mgを示標としたのでありますが普通成人で50mgを1回に注射しました。副作用は食欲不振,頭痛がありましたが軽度でありまして,ナィセロミンの注入量のみでなく,個人的感受性によるのであろうと思われました。
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