特集 副鼻腔炎の病理と治療
潜在性副鼻腔炎
北村 武
1
1千葉大学医学部
pp.1025-1032
発行日 1956年12月25日
Published Date 1956/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201698
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緒言
Hajek1)は篩骨蜂窠炎を分類して,潜在型と顕症型とした。顕症型とは顔面に変化を起している場合である。Uffenorde2)は彼の所謂漿液性副鼻腔炎に関する一連の論文に於いて,潜在型とは鼻鏡所見と単純撮影による「レ」線写真で所見がない特殊な型と考えている。彼の見解では鼻鏡所見のある慢性副鼻腔炎が一般型の顕症型と考えてをり,之は今日でも正しいと思う。Marx3)は初心者及経験のない者は経験のある者より,疾患を潜在性であるとなし易いと云つている。以上の様に潜在性と云つても,その内容は時代により,人により違つたものであるが,茲で私の考えている事をのべて,御参考に供したいと存ずる。
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