増刊号 Common Disease 200の治療戦略
耳鼻咽喉疾患
副鼻腔炎
森山 寛
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科
pp.635-636
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904251
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疾患概念と病態
元来,副鼻腔の自然孔は洞の大きさに比較して狭くつくられている.したがって,細菌感染などの炎症による副鼻腔自然孔の閉鎖により,洞内の排泄と換気が障害され,粘膜病変が引き起こされる.篩骨洞,上顎洞,前頭洞の自然孔は中鼻道に開口しており,細菌感染などの炎症によりこの中鼻道自然孔ルートが閉鎖され,節骨洞,上顎洞などに急性の炎症が惹起される.多くは一過性であり,洞内に膿汁の貯留や洞内粘膜の病的変化を引き起こすが,自然に治癒するか,あるいは保存的治療により軽快する.しかし,感染が長期にわたり,炎症が遷延化し慢性となる例もある.さらに病変が慢性化すると,中鼻道より鼻茸の発生がみられるようになる.かつては上顎洞,篩骨洞に病変を有する例が多く認められたが,最近は筋骨洞を主病変とする慢性副鼻腔炎が増えており,この点でも鼻内手術が第一選択となる.
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