特集 副鼻腔炎の病理と治療
慢性副鼻腔炎治療に於ける鼻腔病態の手術的意義
高橋 良
1
1慈恵医大耳鼻科教室
pp.997-1007
発行日 1956年12月25日
Published Date 1956/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201696
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Ⅰ.序言 慢性副鼻腔炎の際に鼻腔の慢性炎症所見が見られるのは通常の事であつて,従つて慢性副鼻腔炎の治療の際には鼻腔所見の異常即ち其の病態が共に治療せられている訳であるが,この両者の治療的関聯はそれ程確立せられていない様である。治療的関聯ばかりでなく,其の両者の間の因果関係や成立機序といつた様なものも明かでない所が多い。私はこう云つた関係に特に興味を覚えて検討を行つているので,最近我々の認め得た副鼻腔と鼻腔との間の病態関係の成績を元として,慢性副鼻腔炎の治療に鼻腔病態の治療が如何に重要であるかに就いて痛感している所を述べて見たいと思う。
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