特集 副鼻腔炎の病理と治療
米国に於ける副鼻腔炎治療の近況
作道 皓
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.1103-1108
発行日 1956年12月25日
Published Date 1956/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201707
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はしがき
Harvard Medical School,Boston,Massachusettsの附属病院であるMassachusetts Eye & Ear Infirmary(M. E. E. I.)に於いて,E. N. T. Residentとして約2ヵ年に亘る留学生活を終え,昭和30年11月帰国,米国の耳鼻咽喉科学の実際を体験し,ここに米国に於ける副鼻腔炎治療の近況と題して御報告申上げる機会を与えられ,私の体験の概略が,臨床家諸氏に少しでも御参考ともなるところがあれば,幸甚に存ずる次第である。
1824年に設立されたM. E. E. I. は,米国に於いて1,2を争う最古の病院で,幾多の有名な耳鼻科医並びに眼科医の大先輩を国内のみならず諸外国に送つている。私が此の歴史の古い,伝統あるM. E. E. I. で勉学出来たことは,恩師大藤教授はじめH. J. Hara,M. D.,Los AngelesやL. A. Schall,M. D.,Bostonが留学の機会を与えて下さつたことで,此の紙上より厚く御礼申上げたい。又現在,米国に於いて数科に分れたAmerican Boards In Medical Specialtiesの中でAmerican Board of Ophthalmologyが1917年にそれに次いでAmerican Board of Otolaryngologyが1924年に認められ,M. E. E. I. からも多くの耳鼻科Specialistを出しており,米国の耳鼻咽喉科の歴史は,他の臨床科と比較して,一歩先んじているといつても過言でなかろう。
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