特集 副鼻腔炎の病理と治療
米国に於ける副鼻腔炎治療の近況
山本 馨
1
1名大耳鼻咽喉科
pp.1099-1102
発行日 1956年12月25日
Published Date 1956/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201706
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Americaに於ける副鼻腔炎の実態が日本のそれと些か趣きを異にすることはかねがね聞いていた所であるが実際に現地で見聞するに及んで之は事実であることが認めれる。もとより解剖学的或は組織学的に彼我の間に差異があるとは考えられない以上,其の現われる臨床像の違いは,主として,一般的に云われている"体質"に帰因するものと思われる。それは耳科の領域に於いても,Otosclerosisの様な疾患が,白色有色両人種の間に発生頻度に於いて可成りの差が認められるのと軌を同じくするものであろう。
Americaの大学大病院に於いては,耳鼻咽喉科領域が夫々細分されている所が多い関係上,所謂Rhinologyを表看板にしている所以外に於いては,纒つた研究,充実した診療も,少い様で,日本の様に何処の病院開業医師の所でも,副鼻腔炎の手術が盛んに行われていると云う様な光景は見られなかつた。
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