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乳頭性副鼻洞炎に就て
城所 信五郞
1
,
村上 不二郎
2
,
林 四郎
3
1三楽病院耳鼻咽喉科
2三楽病院
3社会保険中央病院耳鼻科
pp.489-492
発行日 1956年7月20日
Published Date 1956/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201599
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従来,乳頭腫として真性腫瘍の範疇に入れていた鼻腔,或いは副鼻洞の所謂扁平上皮性乳頭性増生を営む腫瘍の中には,慢性炎症に基因する反応性増生と見做すべきものが可成り多く存在すると考えられ,外国文献によるとこれをpapillary hypertrophic sinusitis(乳頭肥厚性副鼻腔炎)と呼んで,真性腫瘍と誤り易きことを指摘している。
著者等も,臨床的には恰も悪性腫瘍の如き像を呈せる鼻,副鼻洞粘膜の再発性乳頭性腫脹が,病理組織学的には,所謂扁平上皮の乳頭性増生が再発を繰返して,逐次上皮が化生することによつて発生したものであると考えられる2例を,経時的に観察し得たので報告する。
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