--------------------
口蓋及び咽頭扁桃に於ける化学療法剤の抵抗菌に就て
渡辺 篤
1
,
北尻 金三郞
1
1三重県立大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.485-488
発行日 1956年7月20日
Published Date 1956/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201598
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
各種抗生物質の発見に伴い此等は臨床上著しい治療効果を拳げているが,他方近来之等の薬剤に対する耐性及び非感受性の問題が種々論議されるに至つた。我々は口蓋及び咽頭扁桃とインフルエンザヴイルスとの関係についての研究過程に於て,上記の扁桃組織乳剤にペニシリン,ストレプトマイシンを加えて之を孵化鶏卵に接種培養した際,屡々該鶏卵が壊死腐敗するのを認めた。そこでその原因に就て追究したところ,ペニシリン,ストレプトマイシン,サルフア剤(サイヤジン)等の化学療法剤に対して抵抗を有するある種の一群の細菌を証明した。此の分離菌について細菌学的並に免疫学的研究を行つた結果,該菌はPseudomonasである事を確め得たので茲に発表する。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.