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抗生物質に耐性を有する菌による鼻性脳膜炎の1剖検例
加賀 達也
1
,
中山 くに子
1
,
味津 喜三
1
,
小野 勇
1
1下谷病院
pp.189-191
発行日 1956年3月20日
Published Date 1956/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201520
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戦前(1945年以前)は鼻性脳膜炎は予後はきわめて不良なるものとされ,又実際に文献上(日本)に表われた統計をみてもそのことがよくわかる。然し戦後(1945年以後)は優秀なるサルフア剤及び抗生物質が産生され且つ多量に使用しうる様になつた為に予後もかなり良好となり,又起炎菌を抑制しうると云う考えからも手術も又比較的気楽且大胆に行ないうる様になつた。然し最近に至り此等抗生物質に対し耐性を有する菌株の出現が種種報告され,化学療法も起炎菌の耐性の検査をしなければ適当な治療法が行なわれない場合がしばしば現われて来た。偖て我々は此処にスルフア剤,ペニシリンに耐性を有する起炎菌の為,又急激に病状が進行した為に従来の化学療法を行つたが遂に不帰の転帰を取れる不幸な例を経験したので,又剖検の結果その感染経路を推測し得たので併せて報告する次第である。
Kaga, Nakayama and Mitsu report a case of fatal meningitis that originated from acute frontal sinusitis. No reponse to therapy was seen by use of antibiotics, penicillin and strep-tomycin, or sulfadrugs.
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