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耐性を顧慮し,主としてエリスロマイシンの髄腔内使用により治癒せる術後性鼻性脳膜炎の1例
東川 清彦
1
,
増田 游
1
1岡山大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.761-764
発行日 1963年9月20日
Published Date 1963/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203113
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緒言
戦後,ペニシリン等の諸抗生剤の出現によつて化膿性疾患の治癒率は著しく向上したが,近年,これら抗生剤に対する耐性菌株の出現が次第に明かにされてから,再び難治性を露呈するに至つた。同じく我が領域における鼻性脳膜炎においても,その治療に関して起炎菌の耐性の問題が種々論議されるようになつた。
我々は最近,抗生剤に著明な抵抗性を示した術後性鼻性脳膜炎に遭遇し,脳脊髄液の頻回排除の他,大量の抗生剤を多角的に長期に亘つて使用し辛うじて一命をとりとめ得た症例を経験したので参考までに報告する。
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