特集 耳鳴と眩暈
第1章 耳鳴
星状神経節遮断と耳鳴及び難聴
大藤 敏三
1
,
河村 進市
1
1日本医科大学
pp.769-777
発行日 1955年12月25日
Published Date 1955/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201456
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
星状神経節遮断(以下S. B. と略す)は自律神経系に関する知識をもととして之が関与すると思われる循環障碍,疼痛等に対する臨床的治効から出発したものである。本法は1930年Whiteの報告次でLericheとFontaineが1936年脳卒中に対する治効を記載して以来脳血行障碍に基く頭蓋内病的状態の療法として一部に異論はあるがその効果はほゞ確認されている。耳科領域に於てもAtkinson,Rudolf,Schubert,Passe,Hilger,Dworacek Hoogland,Berting,Swan等は耳鳴,萎縮性鼻炎,メニエール氏病,ベル氏麻痺にその効果を報じ我が国に於ても後藤,中田,佐々木,中嶋,北川等により臨床報告が多くなされるに至つた。然しその煩雑と危険性の故に一般医家に普及していないようである。述べる所はS. B. 本来の意義を主とした為め耳鳴は其の一部のつけたりとなつた観があるが現在の医学としては之も止むを得ない段階である。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.