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上顎洞内遊離骨片の1症例
吉住 博
1
,
桑原 啓行
1
,
古沢 愼
1
1北海道大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.635-637
発行日 1955年11月20日
Published Date 1955/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201425
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緒言
上顎洞内にみられる異物は,鼻腔に比すればその頻度も少く異物の種類も多様ではない。然ししばしば見出されるものとしては,外部より入つたものとして木片,金属片.ガーゼ類等があり,又洞自身より生じたものとして結石,歯牙,腐骨片,骨新生物等があげられる。
遊離状態にある骨質性異物としては腐骨片,逆生歯牙,結石等の報告があるが,真の遊離骨片についての報告は割に少い。我国に於ては20数氏の報告があるが,その報告例をみてもその発現は多くは1〜2ヶにして,同一洞内に数ヶ以上を有している例は非常に稀である。我々は両側上顎洞とも数ヶの遊離骨片の存在した症例を経験したので報告する。
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