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上顎洞内埋伏歯牙の1例
明石 壽也
1
1千葉大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.289-292
発行日 1954年6月20日
Published Date 1954/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201147
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緒言
上顎歯牙が位置異常として鼻腔内に出現せる例を始めて報告したのはAlbinus(1754)で,本邦に於ても金杉(明治34年)が報告して以来比較的屡々見られる。然し歯牙が上顎洞内に出現せる例は泰西ではDubois(1878),Marshall(1886),Spitzer(1889)等の報告があり,本邦に於ても明治40年久保(猪)が記載して以来和田(明治42年),天野(明治43年),浜地(明治43年)等の報告があるが比較的稀有な疾患で内外文献を通じて40数例を集め得るに過ぎない。
私は最近左慢性副鼻腔炎急性増悪症の診断の下にX線撮影を行い,左上顎洞内に歯牙樣陰影を発見し,副鼻腔炎根治手術により上顎洞内より得た歯牙及びその周囲組織を検索したので報告する。
AKAISHI reports a case of chronic maxillary sinuitis that originated from an ingrown. third molar into the sinus cavity. The diagnosis was made from X-Ray examination and confirmed by radical operation on the sinus.
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