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上顎洞内過剰逆生歯牙の1症例
畔柳 省三
1
,
弓削 庫太
1
,
杉尾 理
1
,
藤井 春生
1
,
中村 兼利
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.801-802
発行日 1960年9月20日
Published Date 1960/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202534
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I.緒言
鼻腔内又は上顎洞に歯牙の逆生すると云うことは古くより報告があり,鼻腔内逆生例では,1754年にAlbinusの報告したのを初めとし,我国では1901年に金杉が報告したのを以て嚆矢とする。また上顎洞内発生例では,1878年にDuboisの報告して以来,1886年にmarschall,1889年にSpitzerの報告等,我国に於ては,久保(猪)が1907年に報告して以来1909年に和田,1910年に天野,浜地等の報告に相つぎ,最近では1958年の鈴木の報告がある。本症はX線撮影や手術の増加にもかかわらず,特に上顎洞内逆生歯牙の報告例は内外合わせても50例に満たない。吾々は右側慢性副鼻腔炎の急性増悪により上顎骨を破壊した症例の手術に際して,上顎洞内過剰逆生歯牙に遭遇したのでここに報告する。
The cause of maxillary sinusitis in a man, aged 18, was found to be a supernumerary tooth that was forced to erupt into the sinus cavity. All teeth of the upper denture were present normally spaced and numbered.
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