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副鼻腔炎が慢性化する事に就いては感染以外に色々の要因が関与して居る事は既に周知のことである。又之等要因の一つとしてアレルギーが一役演じて居る事は疑いないと言えましよう。アレルギー性疾患が既に幼小児期に多く発病する事実を以てすれば幼小児期の鼻炎或は副鼻腔炎の成因としてアレルギーは大いに考慮されなければならない問題である。既に斯る見地に基いた研究は数多くあり,我々も既に報告した処である。斯るアレルギー素因を有する小児は鼻感冒及上気感染を反覆し易い傾向があり,又急性感染はアレルギー性個体の過敏性の度を増加する結果となり僅かの誘因に対しても反応する様になる。従つてアレルギー性素因と感染とが悪循環を繰返し副鼻腔炎を慢性化に導く事が想像される。然らば小児の慢性副鼻腔炎に於ける病変は如何なる組織像を呈して居るだろうか,又成人の場合のそれと比較してどうであるかと言う問題は是非とも解明されなければならない問題の一つである。我々は斯る見解のもとに小児慢性副鼻腔炎の病理組織学的検索を行つて居るが2〜3興味ある知見を観察し得たので今日尚研究途中であるが一応取纏めて報告したいと思う
NAGOSHI and MIZAWA find, in sinusitis of children whose ages ranged from 8 to 14 and who were subjected to radical sinus ope-rations, manifestations of allergy to be the pre-dominating factor of the sinus involvement among them; 9 cases out of the 14 being allergic. The diagnosis of allergy is made by findings of eosinophilia in the sinus mucous membranes removed during the opration. A further report on this subject is to be pres-ented at a later date.
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