--------------------
慢性上顎洞炎に於る洞自然孔閉塞度について
小倉 孝一
1
,
町野 重義
2
1東京都立駒込病院耳鼻咽喉科
2東京大学耳鼻咽喉科学教室
pp.230-234
発行日 1954年5月20日
Published Date 1954/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201130
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.緒言
さきに1)著者の一人小倉は,固有鼻腔圧及び上顎洞圧の変動を夫々曲線として描写し得る如く装置し,固有鼻腔圧を徐々に変動させることにより描写される両曲線を比較して上顎洞自然孔の状態を考察した結果,慢性上顎洞炎に於ては洞自然孔はただに狭窄するのみならず多くの症例では閉塞していることを知つた。又,この両曲線の相関々係から之を6型に分類してその閉塞の程度を考察した。
併しこの方法は1)その操作が比較的面倒なこと,2)単に閉塞め程度を判断し得るに留まり明確な数値を以て表わし得ないこと,3)比較的高度の自然孔閉塞のあるものでは何れもこの方法の第Ⅵ型に属するためある程度以上の閉塞度をもつものではその程度を知り得ない,等の欠点のため臨床的には応用され離いと思われた。
OGURA and MACHINO devise a method by which they were able to measure readily the degree of patency of the natural ostium of the maxillary sinus. The relation in which the degree of patency of the ostium and the am-ount of hypertrophy and histological changes that may be caused thereby is studied.
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.