特集 難聽研究の進歩
内耳性難聽に対する脳脊髄液パンピング(Spinal Pumping)に就いて
執行 孝胤
1
1大阪大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.683-688
発行日 1952年12月20日
Published Date 1952/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200817
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緒言 脳脊髄液パンピング(以下Pumpingと略す)は1935年,ソ聯の病理学者A, D, Speraskyにより創始せられ,真性癲癇,ロイマチス,気管支喘息等,神経科及び内科領域の疾患に用ひられ,本邦では,佐藤武夫氏が日本医事新報1192号(昭21,8)に紹介されたのに始まるが,私は之を先天性聾に試みた所,好成績を得た(昭21,12)ので,その後この問題に関し,種々臨牀実験及び動物実験を行ひ,又多数の追試者により可成り好結果を見られ,あまり顧られなかつた先天性聾に対する治療法の一端を開き得た。しかし先天性聾のみならず,後天性の内耳性難聽(聾)に対しても見るべき結果を得てゐるので,以下Pumpingに関して綜合的に概略述べて見やう。
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