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緒言
脳脊髓液吸出,注入療法(Spinal Pumping)は「ソビエツト」の医学者Speransky氏により「モスコー」の「ハバロフ」研究所で創始せられてから,各方面で行われる樣になり,米國ではGillman氏等によつて「ロイマチス」の治療に用いられ,我が國でも昭和21年8月初めて佐藤氏によつて紹介され,其後各科で追試研究される樣になつた.
耳鼻咽喉科方面では1937年Grunberg氏が「パンピング」により生じた猫の内耳の組織学的変化に就て報告し,我が國では執行氏によつて,内耳性難聽の治療に初めて行われて後,栗原,和田,野村,板倉,戶塚,渡辺,諸氏により相次いで其の成績が発表された.
我が教室に於ても,此の療法を大藤教授指導の下に於て行つていたが,其の変法として後頭下穿刺による多量脳脊髓液吸出注入療法に対すろ臨床的観察の一端を此処に報告して諸賢の御參考に供したいと思う.
Homma reports observation on 26 cases of deafness which were treated by spinal pumping according to Speransky's method. The cause of deafness in these cases was found to be congenital, nerve, and other conduction deafness associated with Meniere's disease. Suboccipital region of the spine was chosen as the site for spinal pumping.
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