特集 難聽研究の進歩
突然の聾に後頭下穿刺による髄液多量吸出注入療法(Spinal Pumping)を施行して著明な効果と挙げた1例
鈴木 徳重
1
1日本医科大学耳鼻科教室
pp.689-690
発行日 1952年12月20日
Published Date 1952/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200818
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緒言 我が教室に於ては,大藤教授の指導の下に内耳性難聽に対して,髄液に何等かの処理を加へることによる治療を実験的に考究し,且臨床上にも応用してその業蹟については既に数個の論文が発表されてゐるが,余も本間のさきに発表した後頭下穿刺による髄液多量吸出注入療法(Spinal Pum—ping)を追試してゐた。
最近偶々突然惹起した聾に近い難聽に対して該療法を行ひ,自覚的には発病前の聽力と同程度に聽力が恢復した症例に遭遇したので,その経過を報告し諸賢の御垂教を仰ぎたい。
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