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鼻前庭部外部に発露せる逆生齒牙の1例
阿部 隆夫
1
1北海道大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.388-390
発行日 1951年9月20日
Published Date 1951/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200551
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緒言
歯牙が其の発生する部位を誤つて鼻腔内或は上顎竇内に出現し,若くは此れに類する位置異常を示す事はAlbrinusが1754年に記載して以来解剖学者,並に歯科学者の興味を惹き上顎竇手術の普及及びレ線診断の進歩とに依り益々之れの発見の機会を増加し幾多の学者より珍稀なるものとして,或は致床上意味あるものとして記載報告せられたる文献は既に数多に及んでいる,本邦に於ても明治34年金杉氏が鼻腔内逆生歯牙の1例を最初とし上顎竇内逆生歯牙に就いては久保氏が明治40年報告して以来,歯牙の異常発生或は埋沈歯牙等今日迄に報告されたもの数10例に及んでいる.たまたま,私は数多くの報告中稀なる鼻前庭部に発露せる門歯(永久歯)の逆生歯牙に遭遇せる故追加発表せんとするものである,
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