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上顎洞骨腫の1例
三浦 眞一
1
1東京医科歯科大学耳鼻咽喉科教室
pp.264-266
発行日 1950年6月20日
Published Date 1950/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200361
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緒言
副鼻腔,就中,上顎洞に見られる骨腫,骨線維腫に関する報告は,從來,諸家よりしばしば報告せられている所であるが,組織的に見て.骨腫として報告されているものの中では,海綿状骨腫が多く,硬骨腫は之に比べて比較的に少く,又骨線維腫として,報告せられているものものの多くは,檢鏡上,骨梁と,その間を埋める比較的幼若なる結合線維とより成る場合に限られ,その多数例に於て,それと骨腫との関係については,多く触れる所がない.最近私は頬郡腫脹の他は何等の自覚的症状を伴わす,且上顎洞腔を殆ど充填し,その症状,手術的所見は骨線維腫に類似しているが,その組織像に於ては,骨梁を埋める結合線維は甚だ密で,骨線維腫と云うよりは,寧ろ廣義の骨腫と解するが妥当と考えられる一例に遭遇したので,茲に報告し,大方諸賢の御參考に供し,併せて御批判を仰ぎ度いと思う.
Miura reports a case of osteoma found in the left maxillary sinus of a female patient 36 years of age. Salient point in the case which called the attention of the author is that microscopically the tumor was meagre in presence of osteoblasts.
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