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亞急性耳炎に於ける横竇血栓手術後に續發した海綿竇血栓の治癒例及び其の外旋神經麻痺に就て
大藤 敏三
1
1日本醫科大學耳鼻咽喉科
pp.57-59
発行日 1949年2月20日
Published Date 1949/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200130
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成書によれば頭蓋内靜脈洞血栓が外科的に處理せられぬ場合は其の豫後が絶對に悪いとされてゐたが近年の化學療法の進歩は稍々之を書き變へねば不完全となつた結果を示して來た.私が之の症例を報告する第一の點は血栓手術の可否が從來とても論議せられてゐる.未經驗者は直ちに完全手術法に賛したが稍々經驗を積むに及んで消極的觀血法を稱へた.之に就いて喋々の機會が與へられないが全横竇血栓除去手術派のFáandtに對して反對的立場を取たL. Haymannを擧げるに止めるが稽ふるに其の治癒率如何と言ふに後者の方が遙に完全手術派より大なる治癒成績を發表した事である.又特に横竇血栓(完全)除去後に績發する可能性を有する海綿洞血栓の發成に對しては特に注目す可き事柄である.私の一例も之に屬する例であつた.
a cured Case of Cavernous Sinus Thrombosis appearing as a Complication following which in turn originated from subacute mastoiditis and observations on abducens parolysis as a symptome of this condition.
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