Japanese
English
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移植皮膚片に於ける神經要素の發生に就て—各種皮膚感覺の神經支配
The Growth of Nervous Elements by Transplahting of a Piece of Skin
內藤 一男
1
Naito, Kazuo
1
1京都大學醫學部整形外科學教室
1Orthopedic Surgery Dept., Kyoto Univ.
pp.219-222
発行日 1950年7月1日
Published Date 1950/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200124
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I.緒言
人類及び一般に動物の皮膚には各種の神經終末,即ち遊離終末,ルフイニー小體,クラウゼ終末球,觸覺小體(マイスネル),層板小體(フアーテル・パチニ),毛根神經叢等が存在し,又これ等に連絡して大中小徑各種の有髓神經線維及び無髓神經線維が存在している。一方皮膚移植手術後移植皮膚片では皮膚感覺は漸次回復するが,この際各皮膚感覺は同時に再生して來るものではなく,痛覺,温度覺,觸覺の順に分離して現われて來るのが通例である。この樣な事實からこれ等の感覺は全く別々の感覺であり,その受感器(神經終末)及び神經線維は夫々異るものであると考えられるが,從來この種の神經終末に關する研究はあまり行われておらず,僅かに近年人及び動物の正常皮膚の神經終末に關して詳細な業績が二三發表されたのみであつて,移植皮膚片に於ける神經の再生に關する系統的組織學的研究に至つては絶無であるといつてよい。余はこの問題を探求することにより,從來あまり明瞭でなかつた皮膚受感器の機能を明かにし他方神經再生の問題をも解明するのに役立つ所があるであろうと考え,臨床的並びに實驗的研究を遂行したのである。
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