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低温の上氣道に及ぼす影響に就ての實驗的研究
林 榮光
1
1北海道大學醫學部耳鼻咽喉科教室
pp.2-5
発行日 1949年1月20日
Published Date 1949/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200116
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I 低温の無處置家兎の上氣道に及ぼす病理學的影響に就て
寒冷時に際し,上氣道が炎症を惹起し易いことは我等の常に經驗,目撃する所であり,臨床的に密接な關係にあるにも拘らず,寒冷によつて上氣道が如何なる病理解剖的影響を蒙むるのであるかと言ふ基礎的事項に就ては未だ研究せられた文献がないのである.
其處で余は成熟家兎を零下25度乃至30度の低温室に於て飼養し,30分,3時間,6時間,12時間,24時間,48時間,72時間,96時間,凍死時,と各時期に於ける,上氣道の病理解剖的所見を,及ぶ限り精細に調べた.今其の所見を述べると,動物は平均4日で凍死する.
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