臨床實驗
V.B2の暗順應に及ぼす影響に關する實驗的研究
小笠原 長秋
1
1長大眼科
pp.308-310
発行日 1951年5月15日
Published Date 1951/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200846
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V.B2の暗順應に及ぼす影響に就ては,下山忠典・山縣靜夫・蓑島高・永井寅男の諸氏は「白光低照度に於ける正常明度差別能に及ぼす「ビタミン」竝に藥剤の影響に關する實驗的研究」に於て,デコラン・肝油試驗・カロチン注射試驗・ビタミンB2,剤の内服竝に注射試驗及メコドリン試驗等5種の實驗を順次施行し,結論として差別閾値は使用せる之等藥剤に直接關係なく計測回數の増加と共に下降すと解せざるを得ぬ,而して斯かる計測回數の増加に伴う差別閾値下降は之を練習に基くものと解するを妥當と信ずと述べ,更に蓑島氏は「夜間視力増強に關する研究」(昭22年度文部省學術研究會議第9部醫学第7班報告書)にて訓練効果は藥剤效果より優れたるものありと。
他方津田良明氏は「光神増強に關する實驗的研究」に於てV.B2剤はPro V. A剤, V. AD剤より光神の増進は顯著にして有效なりとし,注射後3時間目より漸次光神増張し10時間を最高とし,爾後漸次減弱し24時間目にありても注射前より有利なるも漸次正常光神に復す傾向を示すと。私は之等2つの一見相反するが如き實驗成績に就て其の眞疑を解明せんとして本實驗を試みた次第である。
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