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低温環境の創傷治癒經過に及ぼす影響に關する實驗的研究—鼓膜穿孔創治癒經過
高須 泰彦
1
1北海道大學醫學部耳鼻咽喉科教室
pp.134-137
発行日 1953年3月20日
Published Date 1953/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200862
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生體の鼓膜を肉眼的乃至弱擴大程度にて觀察することは比較的容易であるが,これを精密に検するには,強擴大にて觀察し,更に出來得れば寫眞撮影をするのが理想的と思われる。E. Luscher氏が1930年以來,彼の創案した鼓膜顕微鏡を利用し種々觀察を行つているが,その倍率を高める點では大體成功を見たけれども,これの使用には可成の制約を餘儀なくされている。平野氏はこれを改良し,鼓膜顕微鏡寫眞撮影の裝置を考案し,鼓膜血管像について觀察を試みた。しかし鼓膜穿孔創に關してはかかる高倍率にて觀察はなされていない。
余は先に鼓膜穿孔閉鎖の状態を蛙について觀察したが,最近海猽において特に低温環境の影響を鼓膜顕微鏡的に觀察,同時に病理組織學的にも検し,聊か知見を得たので報告する次第である。
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