Japanese
English
原著
グリチロン錠による脱毛症の治験
THE TREATMENT OF ALOPECIA WITH GLYCYRON
大田 精一
1
,
瀬口 允
1
,
江間 昭
1
,
西門 千鳥
1
Seiichi OHTA
1
,
Makoto SEGUCHI
1
,
Akira EMA
1
,
Chidori NISHIKADO
1
1山口県立医科大学皮膚泌尿器科教室
1Department of Dermatology and Urology, Yamaguchi Medical School
pp.626-628
発行日 1961年7月1日
Published Date 1961/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203095
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I.緒言
古来,洋の東西を問わず甘草根が治療薬,強壮剤として使用されて来たことは周知の事実で,この有効成分として抽出されたのがグリチルリチンで,1942年三好等がジフテリア毒素に対する解毒作用を検索し,その後市川等(1949年),進藤等(1954年),久保木等(1955年)によつて種々の毒物に対する解毒機能が追求されたが,この間Re-vers (1948年),Molhuysen (1950年),熊谷等(1957年)によつてその副腎皮質ホルモン代謝乃至副腎皮質機能との関連がとりあげられ,明らかにされて来た。
既に皮膚科領域に於ても,その抗アレルギー作用,抱合解毒作用が注目され,安田等(1953年),出村等(1957年),矢村等(1957年)によつて湿疹,蕁麻疹,中毒疹,皮膚炎などの中毒性乃至アレルギー性皮膚疾患に対して奏効することが報告されている。
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