Japanese
English
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グリチールリチン製剤(グリチロン)による皮膚疾患の治療
GLYCYRRHIZINE (GLYCYRON) IN DERMATOLOGIC PRACTICE
安田 利顕
1
,
船橋 俊行
1
Toshiaki Yasuda et
1
,
Toshiyuki Funabashi
1
1関東逓信病院皮膚科
1Dermatological Clinic of Kanto-Teishin Hospital
pp.421-424
発行日 1957年5月1日
Published Date 1957/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201957
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皮膚疾患と肝機能との関係については,古くから多くの検索が行われ,その因果関係が次第に明かにされつゝある。この際,肝機能障碍が皮膚病変に先行する一次性変化であるか,或は後者に続発する二次性変化であるかを問わず,肝疵護が皮膚病変に対して好影響を与えることが知られている。これらの肝臓疵護剤としては葡萄糖,肝臓エキス(liver extract),V.C,次亜硫酸ソーダ等が知られている。更に最近いわゆるLipotropicsubstanceとしてメチオニン,コリン等,抱合解毒剤としてグルクロン酸が皮膚科領域に於ても肝疵護の目的に各種反応性皮膚疾患の治療に用られている。
先にわれわれ1)はグルクロン酸を使用して各種皮膚疾患の治療を行い,特に中毒疹,皮膚炎,湿疹に著効を呈することを指摘した。同時に本剤投与は血清アセチールコリンエステラーゼ活性値(以後血清ACE値とする)の上昇傾向を示すことを知つた。その他,野口等2),中島3)も本剤による同様な治療効果を認めており,野口等2)もまた血清ACE値上昇傾向を報告している。
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