Japanese
English
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皮膚科領域におけるグリチロン(グリチールリチン製剤)の治験
"GLYCYRON" IN TREATMENT OF DERMATOLOGICAL DISEASES
中島 一
1
,
国見 秀範
1
,
和田 靖之介
1
Hajime Nakajima
1
,
Hidenori Kunimi
1
,
Yasunosuke Wada
1
1久留米大学医学部皮膚科教室
1Dept. of Dermatology,School of Medicine, Kurume Univ
pp.391-392
発行日 1958年4月1日
Published Date 1958/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202237
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- Abstract 文献概要
まえがき
今日皮膚疾患,とくに内因性病的過程の多大に関与するとみなされる湿疹,蕁麻疹,皮膚炎,紅斑などいわゆる反応性疾患と肝臓機能障碍とは極めて密接なる関係にあることは衆知の事実である。肝臓障碍とある種の皮膚疾患との関係は相互にある時は原因となり,ある時は結果となることはRosenbloom,Cameronの研究以来多数立証されている。この際,肝機能障碍が皮膚病変に先行する一次性変化であるか,或いは皮膚病変に続発する二次性変化であるかを問わず,肝臓庇護が皮膚病変に対して好影響をあたえることはつとに諸家の認めるところである。
従来肝臓庇護剤としては葡萄糖,肝臓エキス,ビタミンC,次亜硫酸ソーダなどが知られ,さらにLipotropicsubstanceとしてメチオニン,コリン等,抱合解毒剤としてグルクロン酸が用いられ,特とグルクロン酸については安田,船橋,野口,中島等は中毒疹,皮膚炎,湿疹などに著効を呈することを指摘している。
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